プロによる工場診断で
どこをどう改善すればよいか一目瞭然

結果
  • 自分たちでは見えなかった、気づかなかった課題が明確に。
  • 現場改善の対策と社員の意識向上を融合した改善案

某自動車部品メーカーから工場を診断して欲しいと依頼があり「簡易工場診断」を実施し下記のようなレポートを差し上げました。

時間が少ないので基本的に問題提起のみですが今後コンサルティングに入る事が決まれば具体的な改善プランを作成していきます。

1. 診断報告
1-1. 5S
1-2. 安全作業 (Safety)
1-3. 品質確保 (Quality)
1-4. コスト低減 (Cost)
1-5. 納期遵守 (Delivery)
1-6.  モノづくり

2.今後の課題と対策
2-1. 人
2-2. ライン・治具
2-3. 材料・部品
2-4. 作業方法

業界詳細
自動車部品
日本
企業規模
従業員 約530名
課題
生産性向上
人材育成
目的
人材育成収益改善
業界
自動車
1-1. 診断報告(5S)
No.分類内容
1 整理整頓
  1. モノの置き方が乱雑(特に不良としてはねられたもの)
  2. 置かれているモノの所在が不明確 ⇒ 異品や不良品が良品に混入する恐れがある
2 清掃清潔
  1. 作業場周りは清掃が行き届いているが、部屋の隅や棚の上には若干の埃がある。
  2. 流通箱(ダンプラ・段ボール製)の移動時に床を引きずっている。
    箱の底は床面との摩擦で削り取られ、塵や埃が飛散あるいは、積み重ねた下箱に落下、他部署へ運びこまれることも考慮するべき。 樹脂製品を扱う工場としては流通箱の取り扱いが良いとは言えない。
  3. 塵や埃の除去は、吸い込みが基本。
    成型工場で流通箱内や仕切り板にエアーを吹き付け塵や埃の除去をしているが、箱の外底や外周には手をつけていない。エアーで吹き飛ばされた塵や埃はどうなるのか。 樹脂製品を扱う工場としては品質意識が低いといえる。
3 しつけ
  1. 職場に活気がない。仕事上の質問には曖昧な回答しか返ってこない。
    モノづくりに関わる作業方法や注意点などの指導が行き届いていないのが原因と考えられる。 一度指導をしたらその後は作業者まかせになっている。
  2. 置かれているモノの所在が不明確 ⇒ 異品や不良品が良品に混入する恐れがある
1-2. 診断報告(安全作業)
No.分類内容
1 安全作業
  1. 生産する品物の性質と作業内容から、すり傷程度の軽微な事故の発生は「ゼロ」とは言えないが、取り立てて問題として取り上げる事項は現段階では確認できず。
1-3. 診断報告(品質確保)
No.分類内容
1 不良に対する意識
  1. 今回の診断で最も重要な課題であるが、品質問題が顧客から問題視されているにも関わらず、管理・監督者や生産現場の作業者に危機感は感じられない。
2 不良対策の実態が見えない
  1. 不良内容は、入荷した原材料の悪さに対する発生件数や発生部位のチェックシートはあるものの、処置内容に関するデータはみられず。

    ※仕入部品の不具合に対する対策は、相手があり対策が難しく、工程内では「出来る事を、出来るようにしてやるしかない」、といった感覚が職場内にただよっている。
3 顧客への流出防止を総力で取り組んでいるとは言えない
  1. 組立ライン投入前の検査では、不具合箇所探しでワークとにらめっこしている。 しかし、組立完了後の再検査でも同じ内容の不具合品が多数検出されている。

    ※この状態を管理・監督者は、不慣れや能力差によるものと個人的理由を原因にして済ませている。
  2. 置かれているモノの所在が不明確 ⇒ 異品や不良品が良品に混入する恐れがある
4 作業者の早期の習熟や出来栄えのバラツキの対策は管理・監督者の仕事
  1. 検査手順やチェックポイントを決め、誰もが同じ手順や方法で検査をする標準を定め、ライン投入前の検査で見逃し、組立完了後の検査で検出された不具合はその場で目合わせや、チェックの方法等の相違点を話し合い、意思疎通の場とすることが作業者の能力アップとなる。

    ※監督者は不在、作業者は自分の感覚での判断や、同僚との相談で良否を決めていたのでは、作業者の能力アップとはならない。 1つの処置が終われば一件落着で済まされている。
5 生産現場に管理・監督者の不在は、職場の現実を知ることはできない
  1. 管理とは、異常が発生しないように常にチェックを怠らないこと。 現地・現物・現状で、正しい状態と異常が起きた時の状態を見分けるしくみがあって初めてチェックが可能となる。
  2. 監督とは、異常が出てしまったら早急に対処すること、で管理と同じ現地・現物・現状が基本。

    ※日々職場内で行われている作業のやり方で、どのような状態になっていたら正しく、どうなったら異常の見分けができない。作業者は手待ちをして、現在異常が起きていますよと見せてくれているのに放置されている。
6 検査と選別を混同
  1. 検査とは、結果から原因を探り、探り当てた原因を対策する再発防止が目的である。
    不具合内容や発生原因、対策処置したデータの蓄積があって品質は向上する。
  2. 現在検査工程と言われている検査は、多くのワークから良品を選び出す選別作業で、工程内でこの作業を続ける限り品質に対する対策は進まない。

    ※選別作業におけるデーターは確認されたが、対策内容や対策後、現状がどのように変わったのかのデータは確認できず。
7 検査、品証部門と生産現場の連携がない
  1. 品質担当の正規社員の採用は、不良対策に積極的に取り組む姿勢と評価。 しかし、品質対策は検査部門や品質保証部門を補強すればよくなるというものではない。

    ※検査や品証部門は生産現場の補佐役であって、品質の作り込みは生産現場行うものである。
1-4. 診断報告(コスト低減)
No.分類内容
1 コスト意識
  1. 利潤(企業の儲け)はモノの作り方によって、プラスにもなれば、マイナスにもなる。

    ※現状のモノづくりの現場を診る限りでは、管理・監督者のコスト意識は「0」とは言わないが、それに近いレベルである。
2 ムダの放置
  1. 仕事を受ける時に、1セット何分でつくるかを営業と話し合ってスタートした。
  2. 受け入れ部品の悪さや、顧客への不良品の流出で人が大幅に増えているとのことであるが、現場を診ていない管理・監督者の言い訳に過ぎない。

    ※ほとんどの作業者が、作業と手待ちの繰り返しである。その原因を探る必要性を認識していない。
1-5. 診断報告(納期遵守)
No.分類内容
1 納期遵守
  1. コストを無視しても納期を守る。 それを管理・監督者は大変だというが、どこの企業でもやらなければならない当たり前のこと、品質と生産が安定しない限りは続く。

    ※コストを無視したモノづくりは品質問題に対しても真相究明がおろそかになる。
1-6. 診断報告(モノづくり)
No.分類内容
1 1セット流し
  1. 1セット流しは、質・量・納期のすべてが満たされたときに成り立つ。 RがよければLが悪い。この繰り返しは生産ラインのモノの流れを乱し、モノの流れの乱れは人の動きを乱す。 人の動きの乱れは正常と異常の見分けができなくなる。正常と異常の見分けができなければ対策もできない。結果として現場の作業者まかせの生産となっている。 不良の多発はコストアップとなる。

    ※それが現状の姿で、こうした事態が起こった原因は、管理・監督者の不在とやる気の問題である。
2 IEの技術
  1. 「時間計測」や「標準作業組み合わせ票」は、現場解析の道具であるが、使いこなすには高度な技術を要し、現場の管理・監督者が「自分の職場は自分で守る」といった意気込みがあって使える道具である。
  2. 「標準作業組み合わせ票」は、現場の実態を紙上に表す「目で見る現場管理の道具」で、タクトタイムで組んだ工程の作業内容やチェックポイントなどの細部を理解していて活きる。 単に、こうしなさいと言われたから行う時間測定や組合せ票の作成は、問題点は見つかるかもしれないが、改善方策を見つけ出すことはできない。 改善方策は現場の実態を熟知してできることである。
  3. ライン外にリリーフを配置し、遅れている工程の応援が主業務となっているが、検査工程は治工具もいらなければ既定の場所も必要なく、応援は可能である。 組立工程には応援できる治工具の予備はなく、検査応援でタクトを速めても組立工程は規定とおりのタクトでしかモノはできない。組立前にモノが溜まると手待ちとなる。 検査の遅れは組立の手待ち、組立前にモノが溜まれば検査工程やリリーフの手待ち、その繰り返しが現状のモノづくりの実態である。
2-1. 今後の課題と対策(人)
No.分類課題対策
1 職務分掌 従業員の役割分担が不明確
  1. 組織図を再チェックする
  2. 職務分掌を再チェックする
2現場の監督者(組長・工程管理)生産現場に常駐する監督者が不在である
  1. 生産現場に常駐する監督者を置く
3ライン長生産現場に常駐するライン長が不在である
  1. 生産現場に常駐するライン長を置く
4現場作業者作業に対する適正テストが未実施
  1. 「目視検査」適正テスト
  2. 「作業スピードと正確性」テスト
  3. 「眼球運動」トレーニング
2-2. 今後の課題と対策(ライン・治具)
2-3. 今後の課題と対策(材料・部品)
No.分類課題対策
1 品質不良が多い 受入検査時に仕入先より不良品が納入される
  1. 仕入先へ出荷検査の強化を依頼する
  2. 不具合解析を依頼する
  3. 受入検査時に不良内容をフィードバックする
  4. 仕入先の教育をする
2 塗装のエア吹き エア吹きの隣で脱脂しているのでゴミが飛んでいく
  1. 作業エリアを分ける
3 材料仕入れ量のコントロール 仕入先での生産計画や品質状況により、フロント(左、右)、リア(左、右)の4材料の納入量が均一化されていないので、4材料の在庫量が揃わない場合がある
  1. 物流センターの在庫を発注点管理(かんばんシステム化)して、不足材料の発注を仕入先にかけるようにする。 また、材料の発注業務をかんばんシステム化することにより、パートさんでも在庫管理が可能となる。
2-4. 今後の課題と対策(作業方法)
No.分類課題対策
1 照度管理 工程により、光の照度と方向にバラツキがある光の環境を統一する
  1. 750lx をキープする
  2. 局部照明とする
  3. 映り込みを考慮する
2 手待ち 作業者は、材料不良があるとサイクルタイムがぶれるので、リズムに乗った作業が出来なくなる。 このことは、作業者の集中力低下にもつながり、品質の確保がしにくくなる。
  1. 受入検査時に全数品質検査をおこない、合格品のみラインに投入する
3 不良発見時 不良発見時に、ルールが統一されておらず作業者任せになっている部分がある
  1. 「受入検査」
    不良原因と発生場所をメモ
    定時に組長へ状況報告
  2. 「組付1」・「組付2」・「検査」・「梱包」
    作業をストップ、ラインリーダ・組長へ連絡
    不良原因と発生場所をメモ
    受入検査担当と各作業者と不良情報の共有をする
    手直し職場へ移動
4指差し呼称作業終了時に自己チェックが実施されていない
  1. 指差し呼称して、「ヨシ!」と確認する
5標準作業の徹底作業者によって作業手順が異なっている
  1. 標準作業の見直しを行い、作業者へ教育、徹底する
現場改善のスペシャリスト
伊藤 彰洋(いとう あきひろ)

現場改善コンサルタント

業種を問わず、現場改善の文化を企業へ根付かせ、現場の人間と共に改善活動をおこない、品質向上・生産性向上・リードタイム短縮を実現する。 また、生産管理システムを手掛けた経験により、「営業~資材~生産管理~製造~外注」と工場内のあらゆるプロセスにおいて改善活動を実践する。

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選ばれる3つの理由 REASON

REASON 1

40ヶ国、
1,500社以上の改善実績

自社だけでは解決できない現場の問題は必ずあります。製造業が勝ち残るための改善・改革は、国や業界を問わず、改善の実践体験を通じて、人材を育成し、生産体制基盤を強化することが必要です。

REASON 2

現場が一目置き、
喜ぶコンサルティング

従来のコンサルティングでは、経営層とコンサルタントが中心になってすすめるため、現場とコンサルタントの間に距離がありました。弊社コンサルタントは、評論家的な「あら探し」ではなく「改善の種」を具体的に見出す指導により、現場の人間との隔たりのない指導をすることができます。

REASON 3

指導終了後も
継続的改善がされる

「人づくり」を強化しながら、設計から調達・製造・物流、そして生産管理と「全体の流れ」を重視し、貴社の現場の実態に合った指導を実施。現場が納得できるコンサルティング指導を行うことで、指導終了後も改善文化が継続されます。

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